お世話になっております。関口舞です!最近、SNS上を賑わせている「m-gram(エムグラム)診断」は楽しんでいただけましたでしょうか?実はこれを機に、私は本サービスの運営会社である株式会社LIPの経営から離れることにしました。いちスタートアップの内輪の話で恐縮ですが、自分の性格上、各方面に対する仁義を考えた結果、これだけ業界にお世話になっておきながら黙ってフェードアウトするのは自分らしくないと思いまして、みなさま(特に、いつもお世話になっておるスタートアップ業界のみなさま)にはしっかりとご報告したいと思い記事を書きました。

 

株式会社LIPは2014年の冬に、アメリカから帰ってきた人工知能博士である松村ゆうすけと一緒に共同創業しました。私はこの頃、社会人2年目で、新卒で入った会社を半年で辞めてしまい自分で会社を立ち上げて、試行錯誤しながらサービスのリリースを経験し挫折し、ひとりではどうしようもないということに気づき、技術面に強いパートナーを探していた時期でした。お互いに人間関係、マッチングといった分野に興味があり、企画やPRは大好きだけど技術面や経営面に自信がない私と、アメリカで人工知能の研究者として活躍したあとサンフランシスコでスタートアップの経営を学んだ松村の組み合わせはきっとうまくいく!と意気投合して会社を立ち上げました。正直私はこの時期、自分で出したサービスが閉鎖になってしまい、それに伴い頼りにしていた提携先との取引も停止してしまい自信を失っていたような状況だったので、本当に嬉しかったのを覚えています。

それからというもの、素敵な仲間がジョインしてくれて、頼もしい投資家の皆様にも応援してもらいながら約2年半、経営をがんばってきました。スタートアップ業界のみなさまは一部、なんとなく知ってくださっている方もいらっしゃると思うのですが、LIP社ではちょっと変わったマッチングサービスやコミュニケーションサービスをリリースしてきています。私としては一刻も早く素敵なサービスをつくって世の中に広めていろんな人に楽しんでもらいたい一心で、必死で仕事をしてきました。

しかし、経営というのは数多くの意思決定を必要とするもので、その決定のひとつひとつの考え方、好み、方針が全てまったく同じ人間なんて存在しません。例えばひとつのサービスにしても、機能をどうするか、コンセプトをどうするか、細かな文言やターゲットユーザーなど考えることは山のようにあります。また、実際に出したサービスを継続するのか、ピボット(方向転換)・終了するのかといった意思決定(これは特にハード)、資金調達の金額や時期、採用やマネジメントの方法や方針などなど・・・そしてその何通りもある組み合わせの、ほんのすこしの判断で大成功も大失敗もしうるのが会社経営です。

そのようなことで葛藤も多い中、去年の12月、切羽詰まった気持ちでサービスを伸ばす方法を必死に考えていて、大好きな代官山の蔦屋書店にひとり朝まで籠もり「サービスのブランディング・プロモーションとしての性格診断サービス」をなんとか構想。できた案を翌日松村に見せたときは技術面の課題が多すぎて難しいのではという話になり、たしかにその通りだなと思って落ち込んでいたのですが・・・その後、松村はいくつもの会社と交渉し、素晴らしいパートナーを見つけ、チームを指揮して開発をガンガン進めてくれました。それが今話題の「エムグラム診断」です。

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短期間でこのような技術面のパートナーとの提携を決めることも、猛スピードで開発を進め緻密なグロースハックを次々に試すことも、私には到底、できることではありません。この過程をみて、改めて松村の才能、自分とは異なる能力を実感し、「この人が自分の思う通りに突っ走ってみたらどうなるんだろう、それを応援してみたい」という気持ちになりました。

松村と私は、かなり違うタイプの人間です。合理的なマッドサイエンティストと繊細な文学女みたいな感じの組み合わせですw 私は熱血で、経営を通して嬉しかったり悲しかったりして泣いたりすることも多々あった一方、松村は何事にも一ミリも動じず、しかしながらチャイコフスキーの演奏を聴いているときだけは涙を流していたりするので本当に普通の人と感性が違うというか・・・(そういうところも、もはや一周回って魅力ですけれども(笑)天才ってのはやっぱり変わってるんですかね。。)

いままではその掛け算でやってきて、それはそれでおもしろいことができてきたと思うのですが、このエムグラムを機に一旦、松村を中心にすべてをやりきってもらい、私はあくまで応援団として得意な面をサポートしてあげる立場に回ったほうが、ある種ぶっとんだ、シャープな経営が期待できるのではないか。そう思い、今回の決断に至りました。

自ら立ち上げた会社を、まだ成功もしていないのに自分の意思で離れるというのは、いうまでもありませんが正直非常に苦しい決断です。挙句には熱を出したりなどもして周囲のみなさまにご心配をおかけしてしまいました。

私はひとつひとつのサービスへの思い入れが強く、2月などはいままで出したサービスのユーザーにアプリ上で「こんにちは!このアプリまだ使ってますか?⭐」なんて話しかけて、返事がきてほっこりしたり、いまさら過去に出してうまくいかなかったアプリ名をTwitterでエゴサーチしてみたり・・・というような暗いこともやっていました(笑)うちはまだ人数が少ないためユーザーから来たメールの返信などは私がやっていたこともあり、そういったメールを読み返して寂しい気持ちになったりもしていました。

しかし、曲がりなりにもいち経営者として真剣にやってきた自分だからこそ、ここは自分の気持ちに執着している場合ではないと考えました。このまま、また元のようにやっていくよりも、松村に経営を任せて自分は応援にまわったほうが会社としてはうまくいく確率が高いと自分で判断している以上、しっかりと決断することこそが、チームのみんなや、株主の皆様、ユーザーの皆様や応援してくださったすべての方々への仁義につながると判断しました。

本件でご迷惑・ご心配をおかけした皆様には改めてお詫び申し上げると共に、引き続きLIP社のご指導ご鞭撻の程、どうかよろしくお願い致します。

LIP社に関する各種意思決定や経営はすべてバトンタッチしています!仲間も引き続き募集していますので、代表松村の想いと併せて、こちらの記事の下部よりぜひご応募ください!

それにしても記事を読んでいただければ彼のすごさが伝わると思うのですが、正直、松村はこの数年でIT業界でおもしろいことをやるというレベルではなく10年後、20年後に想像もつかないような活躍をしうるとんでもない逸材だと思います。みんなで楽しみに見守りましょう。長期的視点でこれからも応援しています!そしてLIPチームのみんなも、本当に全員素敵で、大好きです。人生という長期的スパンで、引き続きよろしくお願いします!

 

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2年ほどまえの写真!

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かわいいかわいいインターン生!

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北海道旅行写真!

(下記はLIP社の経緯とは関係のない私の個人的な文章になります!)

さて、そんなわけで色々と書きましたが、それはそれとして、社会人になってからのこの4年間、相当手探りにがむしゃらに突っ走ってきて、多くのかけがえのない経験をしました。特に大きかったのは、各種サービスの企画・PR経験です。自分のそもそもの起業の経緯を振り返ると、もとはといえばPRというものにものすごく興味があり、なにかを企画し、どうやって世の中に伝えたらいいかを考える能力を身につけたいと思って会社を始めているんです。22歳で会社を辞めて独立したときも、「自分で会社を作れば自分で企画しそれを自分でいくらでもPRできる、広告代理店にいて案件を待っているよりもそのほうが成長できるのではないか」という発想でした。結果的に、そのときの自分が想像していた以上の経験ができたと思っています。

こんなときなのでユーザーの皆様への感謝も込めてサービスを振り返らせてください!

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色々なサービスを出したのでほんの一例なのですが例えば一昨年の年末に出した「2015bestnine」では、どうしたらより多くの人に使ってもらえて、それをシェアしたい気持ちになってもらえるか?ということを徹底的に考え、戦略をたてて実行し、数日間で1500万人以上の人たちに使っていただきました。有名人がシェアしたくなるような施策を色々と仕込んでいたのですが、結果的にオバマ前大統領夫人のミシェル・オバマさんや、有名スポーツ選手やハリウッド俳優、スヌーピーの公式アカウントや当時まだ大統領になっていなかったドナルド・トランプさんなどが次々にサービスを利用してくださり、そしてご自身のインスタグラムでハッシュタグをつけてシェアしている光景は自分の想像をはるかに超えていました。

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クリスマスも年末年始も見事につぶれましたがこんなに最高の年越しは初めてでした。色々な言語で問い合わせが日々殺到する中、実家で親戚の集まりさえスキップしGoogle翻訳を駆使しながら一生懸命対応していたのですが、まさか、群馬のこたつの中からお届けしているとは誰も思わなかったことでしょう。このサービスは圧倒的に海外のユーザーのほうが多かったので、海外メディアにどうPRしていくか、また海外メディアならではの注意点など、短期間で数多くの試行錯誤を強いられたからこそ色々と非常に勉強になりました。

 

⭐Lemonb92a7_1223_f64f2bef_5cd3ca4b-mこちらは主に大学生ならば知ってくれている人が多いのではと思うのですが、大学生向けSNSのLemonも思い出深いサービスのひとつです。私は中学時代、2chに一時期かなり依存していたこともあって、ネット上で知らない人と交流することで居場所をみつけた感覚をなんとか安全に実現できないかと考えていました。その結果、完全な匿名ではなく、facebookでログインのうえ、審査を設けた半匿名のSNSとしてのLemonが誕生しました。この中であれば誰と会っても楽しいし一定の安全性は保たれている、という場を実現したかったんです。バイラルのために審査通過をツイートしてもらう仕組みを丁寧に設計・導入し、リリースと同時に大きな話題となり、かなりたくさんの大学生に認知してもらえました。定期的にイベントも開いたりして大学生の友達がたくさんできました。

しかしなかなか立ち上げがうまくいかず、結果的には盛り上げきることができませんでした。このとき、もっとこうしたらいいのに、とか、俺ならこうするのになあ、というような、生きのいいスタートアップ生意気系年下男子にけっこう絡まれました(笑)でもこれはサービスを作ったことがある方なら共感いただけるかと思うのですが、自社サービスって自分の子供みたいなものなので、そこに批判があろうがなんだろうが、使ってくれている時点でユーザーのみなさんは、全員大好きなのです。Lemonユーザーは大学生がほとんどだったこともあって、なんかかわいくて(?)、勝手に愛情があります!うまく立ち上がらなかったとはいえ、オフ会が楽しかったですとか、素敵な友達ができたとか、一緒に会社を始めるメンバーがみつかったとか、恋人ができたという報告もたくさんいただき、本当に嬉しかったです。使ってくれた方は本当にありがとうございました。

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⭐エムグラム

そして直近だと、エムグラム。
チームが始まって以来、人の「内面」にフォーカスしたサービスをつくろう、というのが我々の理念にありまして、それをこの半年ほどで一気に体現したものになります。みんなが自分の内面を「診断結果」というある種客観的な形で表現することにより、SNS上でお互いの性格について改めての発見が生まれ、コミュニケーションが深まるのではないか、というところからスタートしました。色々な試行錯誤を経てかなりたくさんの方々に使っていただき大きな話題となり、楽しんでくれたみなさまは本当にありがとうございました。しかもこのサービスについては、私は「こんなのを作りたいんだけど」と持ちかけて初期の企画の構想とPRのアドバイスをしただけで、実際の開発そのものは松村とチームのみんなに任せていました。信じて任せた結果、素敵な結果を出すことができて、そういった意味でもチームの実力を改めて実感できて感動しました。
ちなみに最近GACKTさんも使ってくれていました。芸能界トップレベルのクリエイティビティだそうです。さすがですね・・・!

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このように、サービスを企画すること、そしてそれを広めていくことが本当に大好きで、一番楽しかったです。世の中のいろいろな人たちのことを考え、その人たちの気持ちを考え、事情や心情を推し量り、言葉を丁寧に選んで伝え方、届け方を設計する。そして準備し、実際に世の中に放ち、多くの人がそれぞれに反応してくれているのを見るのは、本当にわくわくしました。

私は昔から、人の気持ちを考える、気にする、想像する、察することばかりやって生きてきました。自分のそういう繊細な部分というか、この性格がすごく嫌いで、自分を変えたい、強くなりたいという気持ちがずっとありました。しかし、逆にそういう性格だったからこそ、こんなにも何かを伝えて広めることができてきたんだということに最近気づきました。海外にまで波及したサービスのPR施策も、私にとっては根本的には「こう言ったらあの人はどう思うかな?」そういった「人の気持ちの推し量り」を究極まで突き詰めていく作業の延長にあります。その想像力を極限まで広げていくことができたとき、実際に多くの人に伝わり、届けることができてきた実感があります。いろんな人の気持ちを気にしすぎるという、大嫌いな自分こそが価値だったんだと気づけたのは人生にとって本当に意義深かったです。

 

⭐今後について

ここ最近まで盲目的に会社をがんばってきたので、正直いますぐに「私はこれで生きていく!」というものは決められないです。ただ、前述のように何かを伝える・広めるということが大好きというのもあり、またいままでの人生インターネットに助けられてきてインターネットをすこしでも楽しい場所にしたいという気持ちもあり、そして、昔からずっと文章を書くこと・伝えることが大好きでそれを仕事にするのが夢だったというのもあり・・・少なくとも「伝える・広める」「インターネットでなにかやる」「文章を書く」というのは一生のテーマなのかなという自覚があります。

直近では、下記のようなことを考えています。

  • 自分で言うのも恐縮ですが企画・何かをPRする・広めるということ(特にSNSで多くの人に喜んでもらう、話題にしてもらえるような設計を考えること等)はすごく好きで得意なので、そういうことは引き続きやっていきたいと思っています。
  • 実はもともとひとりで起業したとき、会社をすぐに辞めてしまって悩んだからこそ同世代の相談に乗り、転職支援をやっていました。今、会社員、フリーランス、起業、など挫折を含め色々経験したからこそキャリアに悩んでいる人の気持ちも、採用に困っている経営者の気持ちも理解できるようになりました。そんな今の自分だからこそ再び、そういった人たちを繋ぐような、役に立てるような活動もしていきたいと思っています。
  • 14歳の頃からノートに日記のようなものを書いていて膨大な量になっていたり、大学時代は詩やエッセイを書いて投稿していたりなど、もはや文字を書いていないと生きていけないくらい書くことが好きなので(もともと小説家になりたくて文学部にいました)、書くことを仕事にするという昔からの夢に向けての努力も継続していきたいです。(ちなみにこの夢のために先日、松村が高速印刷プリンターをプレゼントしてくれました。本当にありがとう!)

もはや6000字超えの長い文章になってしまいました・・・最後まで読んでくださった方いるんですかね・・・?本当にありがとうございます。
人生の方向性について色々考えてああでもないこうでもないと最近悩んでいたのですが、「でも人生ってそういうものじゃないか」ということに先日やっと気が付きました。

これからもがんばります。どうか引き続き、よろしくお願いします!

 

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関口舞
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