非常に興味深いお話を聞いて、少々考察したのでメモ。

「○ちゃんと俺がもし結婚したら、俺の実家は田舎だから車で移動しなきゃいけなくて・・・車の免許が必要でそこだけ問題なんだけど、○ちゃん免許持ってる?」

ーこれはあるホストクラブにて、ホストさんがお客さんの女性にした質問だそうです。

その女性は免許を持っていなくて、「持ってない」「じゃあそこだけなんとかしなきゃ」というような話の展開になり、けっこういい雰囲気になっていったとのこと。

・「想像させる」ことと、「論点のすり替え」

このお話を聞いて、恋愛において「想像させる」というテクニックって、けっこう侮れないのではないかと思いました。
上記の例をよくみると、「相手との幸せな未来を想像させる」だけでなく、「論点をすり替える」という手法が用いられていることがわかります。
「○ちゃんと結婚したいな〜」だけだと「いや、別に私はしたくないけど。ていうかなんでいきなりそんなこと言い出すの、こいつチャラいな」というふうになる&露骨すぎて薄っぺらいのですが、今回の場合論点を「車の免許をどうするか」という部分にすり替えることによって、見事に「そもそも結婚するとは言ってないだろ」という部分をうっかり霞ませているのではないでしょうか。

そんなふうに言われてその気になってしまうことってあるの?という印象かもしれませんが、その会話がでてくるまでの話の流れ、表情などで、十分それっぽくすることはできちゃいそうだなという気がしました。

・例えばこれを普段の会話で使う場合、

お酒が苦手な男性Xさんに対して、

「Xさんってあんまりお酒飲めないんですね〜わあ意外〜そっか〜(´・ω・`)
でも、私いつも家でワイン飲んだりしてて、もし一緒に住んだりしたら絶対おしゃれなおつまみ手作りしてワイン飲んだりしたいんですよ。ワイン一緒に飲めないのはちょっと寂しいな〜、あ!まずはワインクーラーみたいなカクテルにして飲んでみたらいいかも!それでちょっとずつ慣らしていけば大丈夫ですよ!ワインクーラー飲んだことあります?」

とか言うようなイメージですね。そもそも付き合うことになってすらいないのに、問題を「ワインが飲めないこと」にすり替えると同時に、ふたりでお部屋でワインをあけて乾杯しているイメージを想像させる、というようなかんじでしょうか。「なんだこの思わせぶり女」と思われるのが普通ですが、それまでの一連のやりとりや雰囲気次第では、本気にしてしまう場合もあるのではないでしょうか。

・ディズニーシーに行くことについて

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とはいえ、私はそんなのに絶対だまされないぞ〜!と思いつつ自分のなかで色々と思い返していると、そういえばこんな出来事がありました。

まだ大学生だったとき、見るからに遊び人っぽいイケメンPくんと知り合い、みんなで飲んでいると、Pくんが「二人でどこかに遊びに行こうよ」という話を始めました。
私は別にPくんと二人で遊びたくなかったので「いや、忙しいからいいや、単位やばいし・・・」と言っていたのですが、「ディズニーランドいこうよ!シーとランドどっちにする?でも俺、シーってなんか暗いしあんまり好きじゃないんだけどねwシー好きな人の意味がわからない、あれはないだろww」と言われ、ディズニーシーが好きな私はカチンときて、「え!シー嫌いなの?!海があってロマンもあるのになんで!」みたいなことを言ってしまい、話の論点が「ディズニーシーの良さについて」にいつのまにかすり替わっていました。

「シーは、海賊みたいな気分になれるからいいじゃん!海底2万マイルとか」
「え、俺それ乗ったことない」
「インディージョーンズは?洞窟を進んでいくようなやつ」
「あの有名なやつか、混んでて並ばなかったんだよね・・・でも色々あるみたいだね、前行ってたときは極端に混んでたからだめだったのかも。やっぱシー行ってみたくなったわ」
「でしょ!絶対シー行くべきだよ!いまならランドほど混んでないよ」
「じゃあシーにしようか」

 

・・・そして、帰宅してみると、そもそも二人で会うつもりすらなかったPくんから、「今日はありがとう!シーはいつ行く〜?俺は○日と○日がいいな」という恐るべきメールが来ていたのでした。
いつのまにかそういう話になっていたんだなあと思います。結局行かなかったのですが、このときの会話の流れは、ある意味テクニックだなと思ったことを思い出しました。Pくんはその後も頻繁に色々な女子とディズニーに行き同時進行でいろんな子と遊んでいるようなのですが、「ディズニーは心を決めた相手としか行けない神聖な場所である」、と考えている私には向いていないお話でした。

好きな人にバレンタインチョコをあげるときですら「たまたま余っちゃったし、自分で食べたら太るから食べてくれない?w」とか言っちゃいそうなくらいシャイ&中二病な私では、永久に使うことのない手法ですが、これはもしかしたら仕事でも頻繁に使われているやり方かもしれないですよね。

「弊社のサービスを使って頂けると〜のようなメリットがありまして、例えば御社の場合〜と〜の売り上げが〜になると思います。しかも〜も解決します。でも御社の××に関しては現状まだ対応できるサービスがないのです、誠に申し訳ありません・・・××の部分の対応はお急ぎでしょうか?」
「いや、××の部分はそうでもないです。」
「では、今日からでも対応させていただきまして、××の項目に関しましては近日中にまたアップデート版をご案内できると思いますのでよろしくお願いします。」
「(まあxxは後ででもいいか。)はい、ではお願いします」

 

「そもそもサービスを買うかどうか」を、「××部分の対応をどうするか」にすり替える。
こんなに簡単な話じゃないとは思いますが、これをもっと複雑かつ鮮やかにした商談が、あちこちで行われているのだろうなあ。

そんなことを考えました。
いろいろなお話を聞くのは楽しいなあ。

関口舞 @mai_d_mai